少年少女世界の名作文学 古典編

○『少年少女世界の名作文学01 -古典編1』
・「アラビアン・ナイト」
 『アラビアン=ナイト』といえば、だれ知らぬ者もない名高い物語です。これが、物語の本としてアラビアでまとめられたのは、七百年ぐらい昔だろうといわれています。
 もっと昔、インドやペルシアから話がアラビアに伝わって、それがいろいろ作り変えられたり、おまけもついたり、ギリシアやローマやエジプトの話なども取りいれられたりして、長い物語になったようです。
 ですから、ひとりの人が作ったのではありません。それだけに、いろいろな話があって、すばらしくおもしろいというわけです。
 そのなかでも、とくにおもしろい物語のいくつかを紹介しましょう。
・「ワイナモイネン物語」
 このすばらしい物語を読むまえに、まず、世界地図を見ていただきたい。そしてフィンランドという国がどこにあるのか、しっかりと頭のなかにきざみつけてほしい。そのフィンランドがこの地球上に生まれるところから、雄大な物語 『カレワラ』は始まる。
 だが、この物語には作者がいない。むかしから伝わるたくさんの古い歌を集めて作られたものだ。名も知れないお百姓さんや、漁師や、かりゅうどたちが、みんなで作ったものともいえよう。
 『カレワラ』は、フィンランドの国民が作った物語詩である。なかでも、このフィンランドの英雄ワイナモイネンの物語ほど、多くの人びとに愛されているものはないだろう。
・「ギリシヤ神話」
 この神話は、いまから何千年という大昔、ギリシアに住んでいた人たちが残した、りっぱな物語です。
 この人たちは、太陽がのぼるのは、アポローンの神が金の二輪車に乗って空をかけるのだと思い、海が荒れるのは、海の神ネーレウスが怒るのだと考えました。
 けれどもまた、怪物や、巨大な恐竜と戦う勇士の姿も、じっさいに、見たり聞いたりしたことでしょう。そこから、さまざまのふしぎなおもしろい話がうまれました。
 世界の宝物といわれるこの神話は、くめどもつきぬ興味をたたえています。
・「ホメーロス物語」 ホメーロス
 『ホメーロス物語』は、大昔のギリシアの詩人、ホメーロスがつくったといわれる『イーリアス』 『オデュッセイア』のふたつの長い詩物語からなりたっています。
 トロイアの王子パリスが、スパルタの美しいヘレネーと、その国の宝物を奪ったことから、トロイアとギリシアのあいだに十年もの長い戦争(トロイア戦争)が起こります。
 『イーリアス物語』は、この十年めの数十日間の戦いのありさまを描いたもので、神や英雄や美しい少女が入りみだれて活躍します。
 『オデュッセイア物語』は、この戦争のあと、ギリシアへ引きあげる英雄オデュッセウスを中心にした物語で、どちらも胸がわくわくするような、そして悲しく美しい物語です。

○『少年少女世界の名作文学02 -古典編2』
・「聖書物語」 ヘンドリク・ウィレム・ヴァン=ルーン
・「イソップ寓話」 イソップ
・「ニーベルンゲンの歌」ドイツ伝説
・「ローランの歌」フランス叙事詩
・「きつね物語」フランス物語詩
・「中世騎士物語」