○『少年少女世界の名作文学27 -ドイツ編1』
・「ほら男爵の冒険」 ゴットフリード・ビュルガー
・「ウィリアム・テル」 フリードリヒ・シラー
・「グリム童話」 グリム兄弟
・「君よ知るや南の国」 ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
・「くるみ割り人形」 E・T・A・ホフマン
○『少年少女世界の名作文学28 -ドイツ編2』
・「隊商」 ヴィルヘルム・ハウフ
・「水晶」 アーダルベルト・シュティフター
・「影をなくした男」 アーデルベルト・フォン・シャミッソー
・「たのしき放浪児」 ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフ
・「ハイネ詩」 ハインリヒ・ハイネ
・「ファルーン鉱山」 E・T・A・ホフマン
・「ゴッケル物語」 クレメンス・ブレンターノ
・「愛の一家」 アグネス・ザッパー
○『少年少女世界の名作文学29 -ドイツ編3』
・「アルプスの少女」ヨハナ・スピリ
春は花に、夏はみどりに、冬は雪におおわれる美しいアルプスの山々は、澄んだ空気のなかにそびえています。そのアルプスの山のように、清らかで、すなおな心の少女ハイジは、やぎや花や烏を友だちに暮らしています。
そんなハイジが、町のお金持ちの少女クララと親しくなって、おたがいにいままで知らなかった世界をのぞいて驚きます。それから悲しんだり、苦しんだり、喜んだりしながら、だんだん成長していく、心あたたまる物語です。
みなさんは、きっと、ハイジを好きでたまらなくなるでしょう。そしてほんとうのしあわせとは何か、またわたしたちが生きていくうえに、どんなことがたいせつかなどを、考えさせられることでしょう。
・「沈鐘」 ゲアハルト・ハウプトマン
ハインリヒが、心をこめて造りあげたみごとなつり鐘は、山の教会に運ばれようとしました。ところが、その山に、魔法使いのおばあさん、よう精のラウテンデライン、水の精、森の神などが、おおぜいすんでいたのです。
つり鐘は山へ運ばれる途中に、谷底へ突き落とされ、ハインリヒは、ひどいけがをしました。
牧師たちに救いだされて、ハインリヒが村に帰ってくるとそこへ、森のよう精のラウテンデラインが、そっとたずねて来たのです。
鐘を造りにハインリヒは、ふたたび山へ出かけました。がある日、いつか沈められたあの鐘が、谷底から鳴りひびいてきました。
この作品は、作者ハウプトマンの、代表作のひとつです。五幕の童話劇を、ここでは物語に書き改めてあります。
・「人形使いのポーレ」 テオドル・シュトルム
ある日、とつぜん、町に旅芸人の人形使いがやってきました。その人形使いの娘に、リーザイというかわいい少女かおりました。パウル少年は、そのリーザイと、すっかり仲よしになりました。
しかし、その楽しい日びも、つかの間、旅芸人のリーザイは、パウルと別れ、次の町ヘと、去って行ってしまいました。「別れ」は、わたくしたちがさけることのできないものです。
けれど「別れ」は、けっして悲しいものとはかぎりません。
同じ作者シュトルムの『みずうみ』の、悲しい別れとはちがい、パウルとリーザイの別れは、やがてめぐり会う喜びの日につながりました。
このふたりをとりまく、ゆかいな人形や心やさしい人たちの物語は、生きることのしあわせをしみじみと教えてくれるといえましょう。
・「みずうみ」 テオドル・シュトルム
五つ六つの幼いころから、仲よく遊んだ妹のような女の子、おにいさんみたいな男の子。
あなたにも、きっと、そんな仲よしのお友だちがいることでしょう。
シュトルムの代表作といわれるこの『みずうみ』には、きょうだいのように心よせあって育った少年と少女が、やがて、おとなになって、思いがけない運命をたどっていく姿が、ロマンチックにえがかれています。
少年ツインパルトと、少女エリーザベットの美しい愛にあふれた、ほほえましい光景やかなしい別れに、みなさんもきっと、愛の喜びと悲しみを知ることと思います。
・「メーリケ詩」 エードアルト・メーリケ
・「フラウ・ゾルゲ」 ヘルマン・ズーデルマン
おちぶれた地主の家に生まれ、父からうとまれているパウルは、じぶんが、「フラウ=ゾルゲ」ののろいをうけているのだと思います。「フラウ=ゾルゲ」は、心配や悲しみを持ってくるといわれている魔女なのです。
でも、パウルは、みじめなじぶんの運命を、うらんだりさけようとしたりはしません。かえって、じぶんのことをわすれ、人の幸福のために尽くそうと決心します。
横暴な父、じぶんのことしか考えない兄や妹、そのなかにあって、パウルは、一家のことを思い、苦労にひしがれたおかあさんをいたわりながら、身を粉にして働きます。幼友だちのエルスベートは、このパウルを心から愛してはげますのでした。
○『少年少女世界の名作文学30 -ドイツ編4』
・「悪童物語」 ルードヴィヒ・トオマ
・「アルト・ハイデルベルク」 ヴィルヘルム・マイアー=フェルスター
・「レアンダー童話集」 リヒァルト・レアンダー
・「ファウスト」 ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
・「クオ・バディス」 ヘンルィク・シェンキェーヴィチ
○『少年少女世界の名作文学31 -ドイツ編5』
・「みつばちマーヤの冒険」 ワルデマル・ボンゼルス
この物語は、マーヤという一匹の若いみつばちの、数かずの冒険と、勇気と、正義をえがいたものです。
みつばちはこん虫のなかでも、特別の集団生活をするものとして知られていますが、ここではマーヤの冒険の生活を通して、さまざまな小動物の、思いがけないその生きる姿を見ることができましょう。
実際わたくしたちは、へいぜいなにげなく見すごす草のかげ、木の穴、池の水ぎわ、そんなところにも、小勣物たちの必死の生活のあるということを、この物語からまざまざと教えられずにはいられません。そして自然の、美しさふしぎさに目をみはる思いです。わたくしたちは、マーヤといっしょに驚き、笑い、恐れ、そうしてなにか清らかな、しみじみとしたものを学ぶことができます。
・「ウィーンの老音楽師」 フランツ・グリルパルツァー
ウィーンの森のレストランで、食事をしていると、品のいい年よりの音楽師がはいってきて、バイオリンをひきはじめます。日本でなら、さしずめ″流しのギターひき″というところでしょうが、さすが音楽の都だけあって、かなでる曲もはやり歌などではなく、れっきとした名曲ばかりです。
この物語にでてくるヤコブじいさんも、そういう流しの音楽師のひとりだったのでしょう。こんな悲しい、こっけいなほど間の抜けた生き方をする人間なんているものか、とお思いになるかもしれません。
しかし、リンデンバウム(ぼだい樹)の散る下で、老音楽師のひく、しのび泣きのようなバイオリンを聞いていると、『ヤコブブじいさんはたしかにいたのだ、この町に……』と、思わずにはいられなくなります。
・「車輪の下」 ヘルマン・ヘッセ
この物語の主人公ハンスは、ドイツのいなか生まれの少年です。
たいへん頭のよかったハンスは、両親や町の人たちから、大きな期待をよせられていました。
いっしょうけんめい勉強した結果、ハンスは、シュワルツワルトの町でただひとり、州試験に受かって神学校に入学できました。
喜びを顔いっぱいにうかべ、誇りで胸をいっぱいにしながら、神学校へ行くハンス……。
新しい勉強、新しい先生、新しい友だちに囲まれて、ハンスは、そこでどんな生活を送ったでしょう。
・「兄と妹」 マリー・フォン・エーブナー=エッシェンバッハ
この『兄と妹』は、罪人の子に生まれた、かわいそうなパーベルとミラーダとの物語です。
ふたりはそのようなみじめな運命にもまけないで、互いに助けあいながら、りっぱに生きていきます。兄のパーベルはハープレヒト先生に教育されてしっかりした人間になり、じぶんの力で生活をきりひらきます。また妹のミラーダは素直に神を信じることによって、心のしあわせを得るのです。
エーブナー・エッセンバッハという女流作家の書いたこの小説は、十八世紀ドイツ文学の傑作のひとつにかぞえられていますが、みなさんも読んでみて、ふつうの少年少女小説とはなにかちがったものを感じるでしょう。それは、ここにありのままの人生というものが強くえがかれているからです。
・「メトロポリス」テア・フォン・ハルボウ
いまの世の中は、昔から考えると、まったく夢のようです。
前に立つと、音もなく、自然に開くドア! その上に乗れば、ひとりでに上へ運んでくれる階段! 音の何倍もの速さで飛ぶ飛行機! 一万メートルの海底を調べる深海潜水艇! 人間を乗せて月世界へ飛ぶロケット!
夢のようなことは、まだまだたくさんあります。人間が考えだした機械の進歩は、すさまじいものがあります。いままで何千人という人がかかっていた仕事が、ひとつの機械ですまされるようにもなりました。
それでは、いまに、人間はどうなるのでしょうか。人造人間などもできて、人間なんかいらなくなってしまうのではないでしょうか。さあみなさん、未来都市の「メトロポリス」へ行ってみましょう。
○『少年少女世界の名作文学32 -ドイツ編6』
・「バンビ」 フェリクス・ザルテン
・「めくらのジェロニモ」 アルトゥール・シュニッツラー
・「チャペック短編」 カレル・チャペック
・「飛ぶ教室」 エーリッヒ・ケストナー
・「点子ちゃんとアントン」 エーリッヒ・ケストナー